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  5. リユース店の資金繰り表
経営・会計 2026年10月8日 約10分

リユース店の資金繰り表の作り方
仕入と入金の時間差を見える化

商品を先に仕入れ、販売してから入金されるリユース業では、帳簿上は利益が出ていても、次の仕入代金や家賃を払う現金が不足することがあります。13週間の週次資金繰り表を使い、いつ・どの口座から・いくら動くかを把握する方法を実務順に解説します。

利益と手元資金は同じではない

利益は売上と費用の対応で計算しますが、資金繰りは実際の入金日と支払日で見ます。高く売れる商品でも、仕入から販売まで60日、販売から入金まで14日かかれば、その間の74日は資金が在庫や売掛として動かせません。

一方、月末に利益が少なくても、入金が早く支払が後なら一時的な残高は増えます。資金繰り表の役割は利益を計算することではなく、将来の残高が不足する週を先に見つけ、仕入量や支払時期を判断できるようにすることです。

リユース業の現金化サイクル現金で仕入れる → 検品・商品化する → 保管・出品する → 販売する → 発送する → 販売先から入金される → 次の仕入へ回す

まず13週間を週単位で作る

月次表だけでは、月初の仕入支払と月末の入金を相殺してしまい、途中の残高不足を見落とすことがあります。直近は13週間程度を週ごとに作り、3か月より先は月次で粗く見積もると、更新負担と判断精度のバランスを取りやすくなります。

区分入れる項目金額を置く週
前週繰越現金、普通預金、決済残高など利用可能な残高各週の開始時点
営業入金店頭売上、EC・フリマ入金、業者販売、売掛回収売上日ではなく入金予定週
その他入金自己資金、借入金、出資、還付など着金が確定・想定される週
仕入支出店頭買取、業者オークション、送料、手数料仕入日ではなく決済・支払週
固定・経費支出家賃、人件費、広告、システム、配送、外注実際の引落・振込週
財務・税等支出借入返済、税・社会保険など納付・引落予定週
翌週繰越前週繰越+入金合計−支出合計各週の終了時点

残高へ含める範囲を決める:売上金の保留、出金申請が必要な決済残高、用途が制限された資金を、銀行預金と同じように使えると見なすと過大評価になります。口座・決済サービスごとに「今週使える金額」を確認します。

資金繰り表を作る6ステップ

1. 事業用の現金と口座残高をそろえる

基準日時点のレジ現金、銀行口座、決済サービス残高を集めます。個人用と事業用が混在している場合は、資金移動を見落としやすいため、少なくとも表の上では口座別に分けます。表の合計と実際の残高が一致する日をスタート地点にします。

2. 確定している入金を入金日で並べる

販売済み商品の入金予定、店頭の現金売上、請求済みの業者販売を、販売日ではなく着金予定日へ置きます。モール・フリマごとに締め日や振込申請の条件が異なるため、販売先別に予定日を管理します。販売後の状態管理は発送・入金管理の実務フローも参考になります。

3. 支出を支払日で並べる

買取代金、オークション精算、送料、家賃、給与、カード引落などを支払日へ置きます。カード利用日は経費認識の確認に必要ですが、資金繰り表では口座から引き落とされる日も別に持ちます。仕入商品の原価を整理する場合は仕入原価と共通費の配賦ガイドを参照してください。

4. 仕入予算を「残った金額」ではなく先に置く

資金が余ったら仕入れる運用では、良い仕入機会に使える金額が分かりません。週ごとの仕入上限を支出予定へ置き、その上で最低残高を下回らないかを確認します。業者オークションでは商品単位の上限も必要なので、手数料込みの仕入れ上限計算と分けて考えます。

5. 未確定の売上を三つのシナリオへ分ける

未販売在庫を「来週売れる」と基本表に入れると、資金不足の発見が遅れます。確定入金だけの保守ケース、平均的な販売を加えた標準ケース、キャンペーンや大型販売を含む上振れケースに分けます。支払判断は原則として保守ケースを基準にし、標準・上振れは仕入余力の検討に使います。

6. 毎週、予定を実績へ置き換える

週初に前週の入出金を実績へ置き換え、予定との差を確認します。差が出たら金額だけでなく「販売未達」「入金遅延」「予定外の修理」「仕入超過」など理由を残し、翌週以降を更新します。月末には月次締めチェックリストで仕入・売上・在庫・入出金を照合します。

在庫を金額だけでなく「現金化までの日数」で見る

在庫金額が同じ100万円でも、30日で売れる在庫と180日動かない在庫では、仕入に再利用できる速度が異なります。資金繰り表と在庫一覧をつなぐには、商品を次の状態に分けて滞留日数を確認します。

  • 未検品:販売準備に着手できていない資金
  • 出品待ち:商品化済みだが販売機会へ出ていない資金
  • 出品中:販売中で、価格・反応の見直し対象となる資金
  • 販売済み・未入金:金額は確定したが、まだ使えない資金
  • 入金済み:次の仕入や支払に使える資金

滞留が長い商品は一律に値下げするのではなく、需要、粗利余地、保管コスト、季節性を見て順序を決めます。在庫の見直し方は在庫回転率を改善する方法も参考にしてください。

資金ショートを早く見つける三つの基準

見る指標設定例下回ったときの確認
最低手元資金固定支出1〜3か月分など、自社の安全水準仕入延期、不要支出、回収予定を見直す
仕入可能額週末予想残高−最低手元資金−確定支出案件別の上限を再計算する
入金遅延額予定週を過ぎた未入金の合計販売先、発送、精算状態を照合する

安全水準に唯一の正解はありません。支払条件、季節変動、在庫回転、借入枠、経営者のリスク許容度で変わります。残高が不足する見込みを見つけたら、仕入を止めるだけでなく、入金日確認、滞留在庫の販売計画、支払条件の確認、不要支出の延期を優先順位付きで検討します。

自己資金・借入金・出資を混ぜない

外部から入った資金は、営業で生じた入金と区分します。自己資金、借入金、出資は、返済義務、利息、持分、契約上の権利が異なるためです。資金繰り表では「その他入金」として見えても、元の区分・契約日・入金口座・返済予定などを別に残します。

会計科目や税務上の扱い、出資契約・借入契約の内容は、事業形態や個別契約によって異なります。本記事は一般的な業務管理の考え方であり、具体的な処理や契約は税理士、弁護士、金融機関などの専門家へ確認してください。

週次運用を続けるためのルール

  • 更新曜日と締め時刻を固定する
  • 予定日、実績日、入力者、根拠となる取引を残す
  • 口座間振替は入金・支出へ二重計上せず、移動として扱う
  • 未販売在庫を確定入金へ混ぜない
  • 一定額を超える仕入は、更新後の予想残高を見て承認する
  • 週次表と会計帳簿の目的を分け、月次で差異を照合する

資金繰り表は会計帳簿の代わりではありません。会計ソフトへ仕入・販売・経費を連携する流れはfreee連携ガイドで確認できます。日々は支払可能性、月次は会計上の整合性というように用途を分けると、同じ数字を何度も作り直しにくくなります。

よくある質問

資金繰り表は月次と週次のどちらで作るべきですか?

支払日と入金日のずれを早く見つけるには、まず13週間程度の週次表が実務的です。中長期の計画は月次、直近の支払管理は週次と役割を分けます。

売れる予定の在庫は入金予定へ入れてよいですか?

未販売在庫は入金日と金額が確定していないため、確定入金と同列に扱わない方が安全です。販売確度ごとのシナリオ欄に分け、基本表は受注済み・入金日確認済みの金額を中心にします。

自己資金、借入金、出資金は同じ入金として管理できますか?

資金繰り上は入金でも、返済義務、持分、会計・税務上の扱いが異なります。区分と契約を分けて記録し、個別の処理は税理士や弁護士などの専門家へ確認してください。

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