インボイス制度とリユース業の関係
インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるために「適格請求書(インボイス)」の保存が必要になる制度です。
通常のビジネスでは、仕入れ先が課税事業者でないと(インボイスを発行できないと)、買い手は仕入れにかかった消費税を控除できなくなります。これがリユース業にとっては大きな問題になりうるのですが、古物商には特別な例外が設けられています。
古物商特例とは?
古物商特例とは、古物商が一般消費者や免税事業者から古物(中古品)を仕入れた場合、適格請求書がなくても仕入税額控除の適用を受けられるという制度です。
つまり、個人から中古品を買い取るリユースショップや買取専門店は、売り手がインボイスを発行できない一般消費者であっても、仕入れにかかった消費税を控除できます。
古物商特例が適用される条件:①古物営業法の許可を受けた古物商であること ②仕入れ相手が適格請求書発行事業者以外の者(一般消費者・免税事業者など)であること ③古物であること(新品は対象外)
古物商特例が使えないケース
以下のケースでは古物商特例が使えないため注意が必要です。
- 業者(課税事業者)から仕入れる場合 → 通常通りインボイスが必要
- オークションサイトで法人から落札する場合
- 新品商品の仕入れ
- 免税事業者の「業者」からの仕入れ(個人からの仕入れとは異なる)
自分は課税事業者?免税事業者?
消費税の課税事業者かどうかは、前々年(2期前)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判定します。
課税事業者の判定基準
| 前々年の課税売上高 | 消費税の扱い |
|---|---|
| 1,000万円以下 | 免税事業者(消費税の申告・納税不要) |
| 1,000万円超 | 課税事業者(消費税の申告・納税が必要) |
インボイス登録事業者になるべきか?
免税事業者でも、自分からインボイス登録(課税事業者になること)を選べます。登録するかどうかは取引先との関係で判断します。
- BtoC(個人への販売のみ): 取引先が消費者なのでインボイス不要。免税事業者のまま様子見でOK
- BtoB(法人・業者への販売あり): 取引先がインボイスを必要とする場合があるため、登録を検討
インボイス登録をすると課税事業者になり、消費税の申告・納税義務が生じます。売上規模が小さい段階での登録は税負担が増えるため、税理士への相談をお勧めします。
リユース業の消費税の計算方法
課税事業者のリユース業者は、以下の方法で消費税を計算します。
原則課税
売上にかかる消費税から、仕入れ・経費にかかる消費税を差し引いて納税額を計算します。古物商特例を活用することで、個人からの仕入れ分も控除できます。
簡易課税
前々年の課税売上高が5,000万円以下の場合、「みなし仕入れ率」を使う簡易課税を選択できます。リユース業(小売業)のみなし仕入れ率は80%です。売上消費税の80%相当を仕入れ消費税とみなして計算するため、記録・計算が大幅に簡素化されます。
仕入れが多い(原価率が高い)事業者は原則課税が有利、仕入れが少ない(粗利率が高い)事業者は簡易課税が有利になる傾向があります。どちらが有利かは税理士に試算してもらうことをお勧めします。
帳簿・書類の保存義務
インボイス制度では、受け取ったインボイスを7年間保存することが必要です。古物商特例を使う場合も、仕入れ記録(古物台帳)を7年間保存し、一般消費者からの仕入れであることを証明できるようにしておく必要があります。