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委託・在庫管理 2026年10月16日 約11分

中古品の委託販売管理
預かり在庫・精算・返却の実務

委託品を買取商品と同じ感覚で登録すると、棚卸金額への混入、販売後の精算漏れ、売れ残りの返却忘れが起きます。所有区分・販売状態・精算状態を分け、預かりから販売・返却まで1点単位で追跡する実務設計を解説します。

結論:委託品は「誰の物・今どこ・お金はどこまで」を分ける

委託販売では、商品が店内にあっても自社が買い取った在庫とは限りません。さらに、購入者へ売れた時点と、入金確認・委託者への精算が完了した時点も同じではありません。

最低限、3つの軸を別々に管理所有区分:自社在庫/委託品 → 商品状態:受付・検品・出品・売約・販売・返却 → 精算状態:未確定・精算待ち・支払予定・支払済み

一つの「販売済み」だけで済ませず、商品とお金の進捗を分けることが、二重計上や支払漏れを防ぐ基本です。

買取と委託販売で管理が違うポイント

項目買取商品委託商品
所有・契約売買契約に基づき自社が取得委託契約に基づき商品を預かる
入庫時のお金通常は買取代金が発生通常は販売後の精算条件を設定
在庫評価自社の棚卸資産として扱うか確認自社所有在庫と区別して数量・所在を確認
販売後売上・入金・粗利を確認売上・入金に加え委託者への精算を確認
売れ残り値下げ、販路変更、処分を判断契約に従い価格変更、期間延長、返却を判断

同じ商品一覧を使う場合も、「所有区分」を必須にし、集計時に委託品を絞り込めるようにします。棚や箱の中で混ざる場合は、ラベル色だけに頼らず管理番号でも判別できるようにしてください。

受付時に合意・記録したい14項目

  • 契約番号、受付日、受付担当者
  • 委託者の氏名・名称、連絡先、確認記録
  • 商品管理番号、品名、ブランド、型番、シリアル番号
  • 数量、外観、動作、付属品、写真
  • 販売開始価格と、値下げを認める範囲・承認方法
  • 販売手数料の率または金額
  • 送料、外部販路手数料、修理・清掃費の負担者
  • 委託期間と終了日
  • 販売できなかった場合の返却方法・送料負担
  • 販売後の取消し・返品が起きた場合の扱い
  • 紛失、破損、災害時の連絡・責任範囲
  • 精算締日、支払日、振込手数料の負担者
  • 価格変更・期間延長・返却を承認した履歴
  • 契約書・預り証・精算書の保管場所

商品名だけでは同型品を取り違えます。重複しない番号の作り方は商品管理番号の付け方を参考にし、預り証にも同じ番号を記載します。

委託販売を7つの状態で追跡する

状態完了条件次の確認
1. 受付契約・本人確認・商品点数の照合が完了検品担当と期限を設定
2. 検品中状態、動作、付属品、写真を記録受託可否と販売条件を確定
3. 出品準備価格、説明、販路、保管場所が決定公開前の二重確認
4. 出品中公開URLと出品日を記録反応、価格見直し日、期限を追跡
5. 売約保留受注し、他販路の販売を停止決済・返品可能性を確認
6. 販売済・精算待ち販売確定額と入金を照合精算額を承認して支払予定を作成
7. 精算済/返却済支払証跡または返却受領を保存契約と保管物をクローズ

複数のECへ出す場合、売約後に他販路の停止が必要です。外部モールの出品停止は各サービス側で行い、社内の在庫状態だけ変えて完了としないでください。詳しくは複数販路・EC在庫管理で解説しています。

検品写真は「預かった時点」の証拠として残す

受付時の傷、付属品、動作状況を写真で残すと、販売説明だけでなく、返却時の状態照合にも使えます。委託者から受け取った時点と、清掃・修理後を混同しないよう撮影日時と工程を分けます。

最低限の写真:商品全体、型番・シリアル、付属品一式、既存の傷や汚れ、動作確認結果、梱包前または返却前の状態。撮影順は中古品の商品写真の撮り方も参照してください。

状態ランクを付ける場合も、文字だけで合意せず、欠点と未確認項目を明記します。担当者間の基準づくりは中古品の商品状態ランクの作り方へつなげてください。

保管場所と棚卸は自社在庫から分ける

委託品にも棚・箱・区画を割り当て、移動履歴を残します。店頭展示から撮影台、梱包場所へ移したときも、現在地を更新します。高額品は、定期棚卸に加えて担当者変更や返却前にも現物確認を入れます。

  • 数量棚卸では委託品も現物確認する
  • 金額集計では自社所有在庫と委託品を別集計にする
  • 所在不明は通常販売できる在庫から外し、調査中にする
  • 返却予定品は出品停止後に返却待ち棚へ移す
  • 返却時は商品番号、付属品、状態、受取者を照合する

棚・区画の付け方は在庫ロケーション管理、短い周期で高額品を確認する方法は循環棚卸の実務手順を参考にしてください。

精算は売価から順に照合する

精算額だけを直接入力すると、値引きや費用負担の根拠が後から追えません。契約で合意した項目を、販売実績へ順番に当てはめます。

管理上の精算照合販売価格 → 値引き → 契約上控除できる販売手数料 → 外部販路手数料・送料・修理費などの負担区分 → 委託者への支払予定額 → 実支払額・支払日・証跡

例えば販売価格30,000円、委託手数料20%、外部販路手数料3,000円、送料800円でも、外部手数料と送料を誰が負担する契約かで精算額は変わります。各金額に「計算式」「負担者」「承認者」を持たせ、精算書へ転記できるようにします。

会計・税務処理とは分けて確認:委託販売の総額・純額表示、売上計上時期、消費税、適格請求書、預り金等の扱いは、契約内容や取引当事者の立場で判断が変わり得ます。国税庁のインボイス制度Q&Aにも委託販売の設問があります。自社の仕訳や精算書は税理士へ確認してください。

値下げ・期間延長・返却を期限前に決める

委託期限当日に初めて連絡すると、商品が出品中のまま返却日を迎えます。終了日の7〜14日前を目安に社内の確認日を設定し、次の選択肢を委託者へ提示します。

  • 契約内の範囲で価格を見直す
  • 別の販路へ変更する
  • 委託期間を延長し、新しい終了日を記録する
  • 出品を停止して返却する

口頭承認だけで済ませず、連絡日時、提示条件、回答、承認者を残します。自動値下げではなく見直し日を決める考え方は中古品の値下げルールも役立ちます。

購入者から返品されたときの戻し先を決める

返品商品をそのまま出品中へ戻さず、隔離、受入検品、委託者への連絡、再販可否、精算の取消し・再計算を順に確認します。すでに委託者へ支払った後の返品をどう扱うかは、受付時の契約で決めておく必要があります。

購入者への返金と商品の状態確認は別タスクです。具体的な戻り品フローはリユース店の返品対応フローを参照してください。

古物営業法で確認したいポイント

e-Gov法令検索の古物営業法では、「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」が古物営業の定義に含まれます。また、売却の委託を受ける際の相手方確認や、古物商以外の者から古物を受け取る場所についても規定があります。

個別確認が必要です:必要な許可、本人確認、帳簿記載、非対面受付、受取場所、通信販売表示などは、商品・相手方・受付方法・販売方法で適用関係が変わり得ます。委託販売を始める前に管轄の警察署または公安委員会へ確認し、契約・表示は必要に応じて行政書士や弁護士へ相談してください。

導入時のチェックリスト

  • 契約番号と商品管理番号を別々に採番した
  • 所有区分、委託者、委託終了日を必須項目にした
  • 販売状態と精算状態を別項目にした
  • 価格変更と費用負担の承認履歴を残せる
  • 委託品を自社棚卸金額から区別して集計できる
  • 売約時に他販路を止める担当者を決めた
  • 販売済み・未精算、期限間近、返却待ちの一覧を作った
  • 精算書、支払証跡、返却受領の保管場所を決めた

日々の引継ぎでは「未精算3件」のような件数だけでなく、商品番号、担当者、次の期限まで明記します。閉店時の未処理管理は買取店・リユース店の日報も活用できます。

よくある質問

委託品は自社の買取在庫と同じ一覧で管理できますか?

一覧を共通にしても、所有区分、委託者、契約番号、精算状態を必須項目として分ける必要があります。棚卸金額や仕入原価へ自動的に含めず、数量確認と会計上の評価を区別してください。

委託販売の手数料はいつ確定しますか?

販売価格、手数料率、値引き、送料、外部販路手数料など契約で定めた条件を販売実績へ当てはめ、購入者への返品可能性や入金条件も確認して確定します。確定時点と計算方法は契約・会計方針に合わせ、税理士へ確認してください。

委託販売でも古物商許可や本人確認は必要ですか?

古物営業法では、古物の委託を受けて売買する営業も古物営業の定義に含まれます。相手方確認や受取場所など個別取引に適用される要件は、営業形態や商品で異なり得るため、開始前に管轄警察署または公安委員会へ確認してください。

委託品も1点ずつ所在と販売状況を見える化

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